【日産キックス試乗レポ】質感は気になるがe-POWERが痛快な青春リバイバル系コンパクトSUV
掲載 carview! 文:伊達軍曹/写真:小林 俊樹 106
掲載 carview! 文:伊達軍曹/写真:小林 俊樹 106
前述してきたとおり、乗り味は決して悪くはないが、「絹のようだ!」というわけでもなく、インテリアの細かい部分の質感なども、そこにこだわりまくっている場合が多い最近の各車と比べれば、笑ってしまうほど低い。ついでに言えば純正オーディオの音質もイマイチだ。
……だが、「そこ」を過剰に気にするのは、動物としての生命力が低下している証左でもある。
筆者の場合でいえば、動物としての生命力が横溢(おういつ)していたハタチの頃や20代前半あたりの頃は、「内装の質感」や「オーディオの音質」など、気にしたことすらなかった。
まぁそれは「カネがなかったから」という理由も確実にあるのだが、それ以上に「そんなものに頼らずとも楽しかったから」である。
車を運転すること自体がひたすら楽しく、そして「どこへでも自由に行けるのだ!」ということが嬉しくて、ウインドウ開閉スイッチの質感など意識もしなかった。
その当時乗っていた国産中古車も純正オーディオの音質は極悪だったが、横に座る女性と愛を語らうのに忙しく、友と夢を語らうことにも忙しく、オーディオの音質など気にもとめなかった。
つまり、人は老いて「愛」と「夢」を失ったとき、BOSEやらハーマンカードンやらのシステムを欲するようになるのだ。
逆にいうと愛と夢さえ健在であるならば、そういったものなどいっさい不要なのだ……というのは多分に情緒的すぎる物言いであり、事実とも異なる。すみません。
なんだかんだで内装や乗り味の質感は高いに越したことはなく、BOSEやハーマンカードンのシステムもあったほうがいい。ていうか、ぶっちゃけ欲しい。
だがそれはそれとして、日産 キックスは「そういった部分=細かな質感とかBOSEとか」を意識的に省略することで、e-POWERによる痛快な走りと広い車内がもたらす実用性を、プロパイロットという最新の運転支援システム付きでありながら、比較的お安い価格で実現させたSUVである。
お安い分だけややガサツではある。だが貴殿がもしもお若い個人またはご家族であるならば、そのガサツさは特に気にならないはずだ。それ以上に、この車が個人や家族にもたらしてくれるプレジャー=運転し、自由に移動するという根源的な歓びを味わうことで忙しく、そんなことは視界にすら入らないのである。
だがもちろん筆者のような五十がらみのおっさんになってくると、若い時のように「安いTシャツ+短パン姿でも(肉体が若々しいから)まあまあ絵になる」なんてことがなくなるのと同様に、車も「まあまあいいモノ」を欲するようになる。
そこは仕方のない部分であるため、すべての中高年に日産 キックスをすすめようとは思わない。
だが……もしも近ごろ、自身の生命力が再び妙に横溢になりかけているのであれば(そういうことって、たまにある)、日産 キックスという「気兼ねなく付き合える、ちょっとガサツな、でも基本的には頼りになる相棒」と付き合ってみる価値は大いにある。
なぜならば、決して絹のようではない走行フィールのなかで、「青春期の特権」のようなものを、再び感じられる可能性が高いからだ。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
【ポイントランキング】2024スーパーGT第3戦鈴鹿終了時点
3番手走行で今季初表彰台を狙ったスバルBRZがヘアピン立ち上がりでストップ。山内英輝「駆動が伝わらなくなった」
ポルシェのフィーリングを20万円で体感!? ラフェスタの走りがマジでいい! 新社会人にオススメしたいクルマ7選
VW「ゴルフGTI」で「ゴルフ」通いはできる? スポーツモードは「1番ウッド」並みに気持ちよくかっ飛びます【AMWリレーインプレ】
藤井誠暢「この場に戻って来られて嬉しい」 ファグ「良い気分で帰れそう」【第3戦GT300決勝会見】
笹原「結構厳しかった」 アレジ「ミスなく走れたのは右京だからこそ」【第3戦GT500決勝会見】
【最終結果】2024年WRC第6戦ラリー・イタリア・サルディニア パワーステージ後
フォルクスワーゲン・ティグアン 詳細データテスト おすすめは実用グレード デジタル化はほどほどに
D’stationが初優勝の独走ポール・トゥ・ウイン。最重量mutaはレースでも強い/第3戦GT300決勝レポート
タナクが0.2秒差で逆転。ヒョンデ復帰後初勝利、日曜最速はヌービルに/WRCイタリア最終日
中古車狙ってる人必見!! 無給油・充電だけで「1000km」走ってわかった初代アウトランダーPHEVの実力
ニュルブルクリンク24時間耐久レースの裏側に潜入取材! 極寒のパドックをレポートします【みどり独乙通信】
ステップワゴン、ZR-Vなど4車種が価格改定 原材料価格と物流費が影響
【販売店も確信】次期「デリカD:5」やはり開発中。独自ボディとPHEV化で「デリカD:6」を名乗る?
“想定外”が頻発する耐久の現場。技術開発に留まらない、トヨタが水素で挑戦するワケ【S耐富士24hレース】
【そもそも買えるの?】ランクル300と250、レクサスLXとGX。“最強に買い”なモデルとは
【228万円】一番安いのに装備が充実…? 「マツダ3 ファストバック 15S」はアリかナシか
売れてる軽EV「サクラ」がライラック×黒の乙女系2トーン追加や仕様向上。価格は約4~5万円上昇
こっちが本命? ノートクロスオーバーがデザイン一新。タフ感強調で本家よりアリかも…?
【電動ツインブースト!】新型「911」の目玉はハイブリ搭載「GTS」。加速が大幅進化の理由
ヒロミ絶賛の乗り心地、電動トノカバー高すぎ!? 発売から3ヶ月経ったトライトンのユーザー評価は?